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千年前に生まれた、秋のコーディネイト

2008年10月01日掲 載

 「千年前に生まれた、秋のコーディネイト」

暑かった夏もいつしか去り、冷んやりと澄んだ空気の中に秋の気配が漂うようになりました。
この季節、私が好んで身につけるのが、紫と黄緑の配色です。歌舞伎の衣装などにもよく使われる派手な組み合わせですが、少しトーンを落とすと意外と落ち着いた感じにもなります。
このコーディネイト、日本の伝統的な配色法である、「重ね色目」から言うと、さしずめ「桔梗(ききょう)重ね」あたりでしょうか…。

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桔梗重ね

私たちが色彩学で「対比配色」だの「同系配色」だのを習うずっと前から、日本人では、既にとても優れたカラーコーディネイトの方法が見出されていました。それが「重ね色目」と言われるものです。

今から約千年前、平安の貴族たちが編み出した配色法で、最初は2色の組み合わせから始まったのですが、次第に色数が増え、何色か重ねて着ることからその名前がついたようです。たとえば十二単衣の襟元や袖、裾のあたりに何枚もの衣の色が重なっているでしょう。あれは本来、何となく合わせるものではなく、重ね色目の法則にのっとって合わせる色なのです。
その法則とは、秋には秋の、春には春の、季節に合わせた色を用いるということ。重ね色目は元々、自然の草花などのイメージから生まれたもので、そのすべてに美しい名前がついています。

たとえば、秋の重ねを紹介すると…。
紫と白を合せる「萩重ね」、ワインレッドと緑を組み合せる「りんどう重ね」、青みがかった黄色と緑の配色「女郎花(おみなえし)重ね」も素敵です。「紅葉(もみじ)重ね」だけでも、緑の濃淡の「初紅葉」から、緑とオレンジの「青紅葉」、朱色と茶を合せる「紅葉重ね」まで、樹々が色づいていく様を何種類もの配色にして使い分け、季節ごとに全部で二百種類以上あったと言うのですから、平安貴族の美意識に脱帽です。

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萩重ね

女郎花重ね

青紅葉

自然に対する繊細な感性が生み出した配色は、現代の私たちのコーディネイトにも大いに参考になりそう。
平安貴族のお洒落を参考に、あなたも自分ならではの重ね色目を作ってみてはいかがでしょう。
(「色彩学校」プロデューサー 江崎泰子)




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