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見えない心を色を通して感じる(1)

2009年02月18日掲 載

 見えない心を色を通して感じる(1)

カウンセリングルームにやってきたのは、20代半ばの女性Mさん。相談内容は子育てのことだ。
一緒に連れてきた子どもは2歳の男の子だ。動き回って一時も座っていない。
Mさんは半分泣きそうな表情で、子育ての大変さを訴え始めた。「私、子どもの欲求が分からないんです。私の言うこともなかなか聞いてくれないし。じつは、先生の子どもの絵の本を見て、子育ての相談もされているということで、息子の絵を持ってきました。絵から、子どもの心理が分かるんですよね?」。
その絵を見ると、紙の中心に3~4色のクレヨンでぐるぐると線が描きなぐってある。「私、この子が生まれて1年くらいの頃、離婚したんです。子どものことを考えると、なんとか結婚生活を続けていたかったんですが、どうにも夫の暴力に耐えられなくて……」。
Mさんは恋愛結婚。結婚当初はラブラブだったというが、子どもが生まれた頃から夫は人が変わったようになったという。
「酒を飲むことが多くなり、酔うと私に暴言を吐いたり、時には手を挙げるようになったんです。子どもが産むまではとても優しかったので、驚きました。あまりに暴力が続くので、私と息子は実家に避難し、結局、離婚に至りました。父親がいないままに育てているので、この子に影響がないかなと不安だし」。
Mさんは現在、子どもを保育園に通わせながらパートの仕事をしている。仕事が忙しい時は実家の両親に見てもらうこともある。
最近はDVへの関心も高まり、たとえ夫婦喧嘩でも激しい暴力があれば犯罪行為であるという認識は広まりつつある。それにしても、優しいはずの夫がなぜ急に豹変し暴力を振るったりするのだろうか。DV被害者の話を聞くと、アルコール依存症など色々なきっかけがあるようだが、他にも子どもが生まれたことで夫が苛立つようになったという理由も少なくない。父親になれば、より一層妻に優しくしたくなるのではないかと思うのだが。そこには夫の、あるいは男性のどんな心理的な変化があるのだろうか。

(色彩心理学者 末永蒼生)

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