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2015年10月号 【末永蒼生の子育てQ&A】

2015年10月13日掲 載

親と子のための色彩心理入門
第21回 「 配色の意味⑨~色の心と形の心」

Q:
3歳の男の子です。最近、形に目覚めたのか円形から始り顔らしいものなどを描いています。何だか円の上の方にぼそぼそした線が出ているので髪の毛にも見えてきました。でも色はあまり使いません。少し前には、形と関係なくやたら色んな色のクレヨンで殴り描きしていたのですが。子どもの絵の発達の中で、形や色はどんな風に変っていくのでしょうか?


A:

●色は感情を表し、形は考える心を表す
色と形についてのこのご質問は素晴らしいです。
人にとって色って何だろう? 形って何だろう?
なぜなら、この疑問に答えてくれるのが、じつは育ち盛りの子どもの絵だからです。

130227055.png 子どもは2~3歳で点や線などから始り絵らしきものを描き始めます。一見すると色も適当に選んでいるように思えますが、じつは色への好き嫌いはかなりはっきりしているようです。ただ、まとまった形をまだ描けないので、色もなんとなく手当たり次第に使っているように見えるのです。しかし、幼児の色使いを注意深く眺めていると、その日の喜怒哀楽や健康状態を表すような色を使っていることが分かってきます。赤を使う時、青にこだわる時を見てみると、感情の起伏などが関係していることが分かります。簡単にいうなら、活動的であれば赤系が目につきますし、穏やかで落ち着いている時には緑や青がよく使われるという傾向はたしかにあるのです。幼児段階であるなら、色は複雑な心理というよりも欲求や感情の変化と結びついているのです。


さて、では形はどうでしょう。
線を描き、それが形になり具体的な顔や身体を描くようになるという過程は世界中、どの子どもも似たような発達をします。その時、子どもの脳の中ではどんなことが起きているのでしょうか。

●考えることと形の表現
形を描くにはまず観察が必要になります。そして、その前提として観察対象の名前を意識しているわけです。言葉の理解、それが意味するモノの形、そして絵として再現するためのイメージ化の作業。これらの連携は脳の中で確実に「考える能力」が働いていることを示しています。
このように子どもの絵の発達の流れは、最初の色を中心にした感覚、欲求など感情モードの段階から、感じたことについて名前で理解し、観察し、表現する思考モードへと脳の働きが進んでいることを鮮やかに示しているというわけです。まさに、子どもの絵というものが成長を映し出す鏡であることが分かります。そんな目で眺めると、気ままに描いた絵を通して子どもの状態がどんどん伝わってきます。
時には、子どもがお絵描き遊びをしている傍らでママやパパも絵を描いてみませんか? その時思い浮かぶイメージは、思考モード? それとも感情モード? もしも日々の忙しさで疲れているようなら、思い切り色を使って感情モードを働かせてみてください。きっと、いいストレス発散にもなるかもしれませんよ。

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