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2015年11月号 【末永蒼生の子育てQ&A】

2015年11月17日掲 載

親と子のための色彩心理入門
第22回 「 配色の意味⑩ ~色の心と形の心 その2」

Q:
前回のQ&Aを読んでみて、色が感情モード、形が思考モードを表現していることが分かり、子どもの絵の見方が広がりました。最近、上の11歳の男の子がどんな形を描くにしても必ず色彩を使いたがります。
このように形を色で表現する場合、感情と考える力はどのように関係しているのでしょうか?


A:

●思春期に育つ「知と情」のバランス
11歳といえば思春期ですね。この段階は心身ともに独特の発達過程にあります。欲求や感情が中心だった幼児期を経て言葉の力や考える力が育ち、やがてそのすべてが総合的に働く思春期に至ります。感情を言葉でとらえ表現する能力も育ちます。つまり思春期は第2の心の誕生ともいえます。
ですので、この年頃には自分を主張したり逆に自分の中に閉じこもることも起きます。一方、新しい自我が育っているので、その自我は感情と思考のバランスをとることを始めます。

ここに紹介する10歳の男の子の絵をご覧ください。

メルマガ色と形2.jpg
「形を色で表現する場合、感情と考える力はどのように関係しているのでしょうか?」というご質問に答えるものでしょう。
三角錐の形を組み合わせるというみごとな遠近法の手法で無限の空間を描き出す思考力が発揮されています。知的な絵といってもいいでしょう。同時に、それらの形はカラフルに描かれています。まさに考える力と豊かな感情表現が並行して出来ているのです。この男の子の絵には、美しいとさえ言える知と情のバランスが感じられます。

子どもたちの脳は感情が豊かに育つときには色に敏感に反応し、考える面白さが分かってくると様々な形に興味を示すということを螺旋状に繰り返しながら成長します。いわば、感情と思考力を組み合わせる力を融合させようとするのが思春期なのです。これが順調に進むと、日々の生活や集団行動においても衝動や欲求をコントロールすることが出来、能動的な意欲と落ち着いた行動のバランス働くようになると思います。
このバランスは子どもだけでなく大人の場合も大切です。といっても大人はなかなか絵を描く時間がありませんが、日々選ぶ服を眺めることで気づくことがあるかもしれませんよ。今日のあなたは、色が目につきますか?それとも形のデザインが気になりますか?






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