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2015年12月号 【末永蒼生の子育てQ&A】

2015年12月20日掲 載

親と子のための色彩心理入門
第23回 「 配色の意味⑪ ~色の心と形の心 その3」

Q:
7歳の女の子です。最近描く絵が少し変わってきました。これまで動物や花などの形をそれぞれ描いていたのですが、一枚の画用紙にいろんなモチーフを並べたり構成したりします。こういう表現というのはどんな心の発達を示しているのでしょうか?


A:

●子どもがカタログを作る心とは?
とてもいい質問ですね。これまでは色の意味、また色と形の意味についてお話ししてきましたが、今回は絵の構図について興味深いお話しをしましょう。

7歳女子カタログ.jpg

ここにある絵を見てください。やはり7歳のお絵描き大好きな女の子の絵でマーカーで描かれています。描く順番としては最初に升目を作り、その中に自分の好きなものを描いていきました。お花あり、動物あり、ケーキや日用品、キャラクターまでが並んでいて、子どもの関心のあるもの、何が好きかまでが分かってきます。まるで、その子どもの生活カタログのような楽しい絵になっていますね。
そう、子どもは7~8歳くらいになると、このような自分のためのアイテム一覧のような絵を描くことで、構図を意識し始めます。不思議と誰に教わるまでもなくその子の世界を網羅したオリジナルカタログのような絵を思いつくのです。
これはある能力が飛躍的に伸びていることを語っているのです。その能力というのは、身の周りの世界をバラバラの断片として眺めるのではなく、種類別に整理し自分の興味の優先順位に従って全体を理解する能力です。つまり、それまでの幼児的な世界、いわば主観的な世界から客観的な世界へと子どもの理解力が進んでいることをはっきり示しているのです。そして、それぞれのモノが自分にとってどういう意味があるかを捉え直していくのです。これこそ、子どもが世界を理解しながら、さらに好みや興味に合わせて自分らしい心の世界を構築していく発達段階に到達したということ。言い換えれば、自己中心の世界から、全体を見渡しながら新しい世界に入っていくという力が身に付いてきているわけです。この時期から子どもは構図を考えながら絵を描くようになります。素晴らしいと思いませんか。
このようにどの子も自分のためのビジュアル事典をつくる能力を備えているものです。男の子だったらそれが恐竜事典や乗り物事典であったり、女の子の場合、アクセサリー事典を思いついたりすることもあるでしょう。ここまでくると、私たちおとなが買い物のためにいろんなカタログを眺めたりするのと同じ選択力が育っていることが分かってきます。このような構成的な絵を描き始める時期は子どもによって個人差がありますが、さて、あなたのお子さんは、どんな“カタログお絵描き”を見せてくれるでしょう。楽しみに待っていてください。


★お知らせ
「末永蒼生の子育てQ&A 親と子のための色彩心理入門」、昨年度からご愛読ありがとうございました。ここで少しだけお休みを頂き、また2016年春から新しい連載企画を再開する予定です。ぜひご期待ください。

 



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