[VOL.12 2006.2月発信] “心とろかす”ぬり絵のワーク
2006年02月07日
最近、「大人のぬり絵」が静かなブームになっていますね。ハート&カラーでも色彩セラピーの一環として、対象や目的に応じたいろいろな種類のぬり絵を使っていますが、実は私もこの一年間、老人ホームで暮らす祖父と「ぬり絵」のカラーワークを続けてきました。祖父は大正生まれの元銀行員。初めは「こんなの女、子どもがやることだ」と困惑気味でしたが、今では孫の頼みということもありしぶしぶ筆(クレヨン)をとってくれます(笑)。
ぬり絵のワークを始めた頃は、「もう生きる気力が無くなったよ」が口癖で、「こんなぬり絵に何の意味があるんだ?」と問いつめてくる祖父に、どう接して良いか分からず途方に暮れる日々でした。そして、そんな祖父に“今の気持ち”を色で表現してもらうと、やはり不安や困惑の気持ちを反映しているのか「灰色」ばかりを手にとりました。ですがあるとき、祖父がぬり絵の表現の一部分に必ず「オレンジ色」や「ピンク色」を描き加えていることに気づいたのです。
(祖父のぬり絵1:ハートのふちにピンク色がぬられている)
(祖父のぬり絵2:人物の頭のところがオレンジ色にぬられている)
意外に思い「この色はどんな気持ちなの?」と聞くと、「まだ“生きたい”という気持ちがあるのかなぁ…?」と応えてくれました。頑固者の祖父の「生きたい」という素直な気持ちを耳にしたのは初めてで、「祖父の希望の気持ちを見失わないでよかった」と感じるとともに、“色の力”に心底驚きました。色は、普段なかなか言葉にできない祖父の本音を引きだし、“心の思い”を溶かし出してくれたのかもしれません。
これからもアトリエの場で、またアートを通じたさまざまな場面で、「“心とろかす”あったかい空間を創っていきたいな」と思っています。
子どものアトリエ「アートランド」インストラクター 樋川 祥子
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