藤色と共鳴する心  
 


心と体を優しく癒す。自己回復力を引き出してくれる。


心理学者のM・ルッシャーは、藤色について「情緒不安をもたらす体の機能不全」を表すと述べています。心身のエネルギーが外部へも内部へも向かうことなく停滞している状態を、赤と青の要素を併せ持つ藤色が反映しているのです。人はその時々に自分に必要な色を本能的に選んでいるので、藤色を選ぶときには、それがその人の心身の健康に必要であるということです。この藤色の効果を、末永蒼生は「癒しの色」と述べています。
この絵を描いた人は、物事が思うように進まず、つらい状態を「憂い」として表現されました。でも、心配することはありません。藤色の表現は、人間の自己回復力が働いていることを示すことが多いのですから。

 
 
 
 
 
桔梗色の心理がよく分かる映画
 
   


聖と俗を結ぶ紫―スワンの恋


藤色という色にはどこか優美さと憂いが入り混じった複雑な美しさがあります。プルーストの小説「失われた時を求めて」の第一幕を映像化した映画が「スワンの恋」。
この最後のシーンにて、ヒロインのオデットがそよがせているドレスの淡い紫。当時流行のブルジョワ階級の身だしなみです。しかし、いまや新貴族ともいえるブルジョワのマダムであるオデットが、かつては高級娼婦であったことを振り返るとき、ここにはなんともいえない流れゆく時の感慨が溢れています。藤色はギリシア神話におけるエロスの色であり、ここではそれが転じて娼婦の色として表現されているようです。しかし、今彼女が身につけて優雅に風になびかせている紫色は、同じ紫でも上流階級がそのシンボルとしてきたロイヤル・パープルなのです。藤色は品のない娼婦の色としても知られる一方、「帝王紫」として洋の東西を問わず上流階級のシンボルでもありました。その意味でも、下層と上層を結ぶ藤色という色は複雑で奥が深い色といえます。

スワンの恋

 

 
 
 
 
 
 
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