萌黄色は「再生」のしるし―山の郵便配達
親子間の溝が、緑濃い中国・湖南省西部で、静かに力強く再生されていく過程を綴った映画が「山の郵便配達」。
山間地帯を徒歩で3日間かけて郵便配達をする、という過酷な仕事を、息子は父から引き継ぐことになりました。息子の初仕事に心配で同行する父。その道中は過酷な山道であるにも関わらず、竹林や畑の緑の美しさに、見ている者は心を癒されます。子供の頃から外出がちだった父を畏れていた息子も、旅を通して父の自分への愛情を確認し、心を開いていきます。父は、いつのまにか自分を背負って川を渡ることができるほど成長した息子の背中で、涙を流します。そんな二人が辿り着いた岸辺は、金色に輝いていました。その後の道中で、二人は何度か段々畑を通り過ぎます。これは仕事や人生の繰り返しや積み重ね、その重要さを象徴しているかのようです。生命の故郷ともいえる緑の風景の中で、生きることと働くことの原点をもう一度考えさせられます。最初は「手早くやれば二日で終わるのでは?」や、「ヘリの時代になっても徒歩で配達するのか」と聞いた息子は、父が配達していたものの重みを理解したようです。2回目の仕事へと、力強く緑の畑の中に飛び出して行く息子の姿に、英語のGreenはGrowと同じ由来を持っていることを思い出しました。
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